水曜日の旭町稽古会へ久しぶりに参加。厳しい(と子どもから思われているであろう)N先生の指導。締まったいい稽古会だった。
世界記憶遺産というものを初めて聞いた。不動産を遺産として残す世界遺産とは違い「人々の記憶」そのものが遺産となる。
今回日本から初めて遺産登録となったのが故郷筑豊の画家山本作兵衛さんの絵だったことに正直驚いた。
筑豊出身であれば彼の絵はどこかで目にしたことがある。実家にも画集があるくらいだ。そこで育った一定の年齢以上の者にはどこかで見た風景が描かれている。
日本の近代を支えた町「筑豊」そこには雑多な文化と活力が生まれた。当時筑豊で掘り出した石炭を遠賀川で八幡へ運び鉄を生産することで日本は近代化を達成した。
この遺産登録を強く進めたオーストラリアの産業考古学者マイケル・ピアソン氏に「欧州の100年分を日本の近代化は10年で成し遂げた」と言わしめたほどの変化があった。
人々が急速に変わる毎日と向き合いながら自らの暮らしを築いてきたことを思い出す。
近代化の主役は庶民だった。